「フランク三浦」の商標登録の無効審決を取り消す高裁判決

Posted by ogasawara | Posted in おがさわらブログ, 不正競争防止法, 商標法, 訴訟 | Posted on 14-04-2016

今日のニュースによれば、「フランク三浦」の商標登録の無効審決を取り消す判決が知財高裁においてなされたようです。
ソースはこちら

商標の類否は、外観(見た目)・称呼(呼び方)・観念(意味内容)の3つの要素の他、取引実情を考慮して、最終的に出所の混同が生ずるかどうかが決め手となって判断されます。審級が上がるにつれて取引実情が反映される傾向にあり、今回は商標の類否が争点だったようですので(詳しく判例にあたっているわけではないので間違っていたら済みません。)、十分あり得る判決だと思います。

「フランク・ミューラー」側としては、不正競争防止法2条1項2号の著名表示冒用行為は混同の要件が不要なので、「フランク・ミューラー」の著名表示冒用行為として不正競争防止法に基づく訴えを起こすことが考えられます。

今回、商標登録が有効で確定しますと、「フランク三浦」側が自己の登録商標と同一の商標(類似の商標は含まない)を指定商品・役務と同一の商品・役務(類似の商品・役務は含まない)について使用していることは、侵害訴訟における抗弁となり得ます。とは言え、「フランク・ミューラー」側も色々と手はあります。「面白い恋人」の事件では、公序良俗違反(商標法4条1項7号)で拒絶されていたようですし、著名表示冒用行為(不正競争防止法2条1項2号)にしても、時計のデザイン自体を著名な商品等表示として主張できると思います。

「フランク三浦」、個人的には笑えますが、買うか?って聞かれたらビンゴの景品としてはありかな(笑)。

**商標登録ステーション

まさにジャパニーズドリーム!?

Posted by ogasawara | Posted in 特許法, 訴訟 | Posted on 27-09-2013

『米アップルの携帯音楽プレーヤー「iPod」に日本特許を侵害されたとして、日本の発明者齊藤憲彦さんがアップルの日本法人に100億円の損害賠償を求めて提訴していた訴訟で、東京地裁は9月26日、特許侵害を認め、アップルに約3億3千万円の支払いを命ずる判決を下した。』との記事が下記のサイトに掲載されておりました。
http://news.braina.com/2013/0926/judge_20130926_001____.html

特許公報を調べてみますと、訂正審判が請求されておりまして、審決公報の最後の2ページに発明の内容が記載されています。下記をクリックすると、審決公報がご覧になれます。アップル側からは無効審判が請求されていましたが、取り下げられたようです。
http://ogasa-pat.com/home/image/teisei.pdf

それにしても、3億3千万円ですか~!これからの上級審でどうなっていくかは分かりませんが、夢がありますよね。平成10年に出願されているので、特許権は後5年間存続可能です。順調にいけば、今後のロイヤリティ分だけでも凄いことになりそうです※。私も、特許になるようなUIを考えようかなぁ。Cool

今回のケースは、個人発明家が自分の頭で特許を生み出している点でパテント・トロールとは異なります。パテント・トロールとは、自分で発明せずに第三者から特許を買い取り、組織的に特許裁判を起こすような人たちのことをいいます。訴えられる企業からすると、どちらもやっかいな者なのでしょうが…。パテント・トロールについては下記のサイトが参考になります。Laughing
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/3105?page=1

※UIは流行に左右されやすいと思われますので、今後、特許が使われないことも考えられます。

ユジャロン事件 不使用取消事件から見る商標の使用

Posted by ogasawara | Posted in 商標法, 訴訟 | Posted on 27-06-2013

今回は、登録商標と使用商標との社会通念上の同一性が争点となった判例をご紹介します。3段併記の登録商標が2段併記で使用された事例です。

【事件の概要】
本件登録商標「YUJARON/ユジャロン/유자론」(指定商品・役務:第30類 茶)に対して不使用取消審判が請求されましたが、不成立となったので当該審決の取消しが求められた事案です。
※使用商標は、3段目の「유자론」の文字が欠けていました。

【判決の要旨】
ハングル文字の部分は図形と認識されるべきであり、図形を欠く使用商標と登録商標とは、社会通念上異なるという原告の主張でしたが、ハングル文字の部分は、我が国の需要者の間で「ハングル文字」であるというのが一般認識であり、図形とするのは相当でないとされ、また、使用商標の英文字,カタカナ文字から「ユジャロン」の称呼が生じるので両商標は社会通念上同一であるとしました。

争点は、1.本件登録商標と使用商標との社会通念上の同一性にありました。

1.本件登録商標と使用商標との社会通念上の同一性
「ハングル文字」を図形とするのは相当でないとした上で、本件商標,使用商標ともに「ユジャロン」の称呼が生ずることより、商標法50条1項でいう社会通念上同一であると判断しました。

【私見】
昨今の韓流ブームにより、「유자론」がハングル文字であると認識する人は多いと思います。と、同時に韓国に関係のある商品であるという観念も生じるのではないのでしょうか。「ユジャロン」の称呼から韓国は想像できなくとも、「유자론」の文字があることで少なくとも韓国を想起することができることから、「유자론」の文字があるかないかが、社会通念上の同一性の判断に与える影響は大きく、称呼の同一を凌駕するようにも思えます。

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ももいちご 不使用取消事件から見る二段併記の登録商標の使用について

Posted by ogasawara | Posted in 商標法, 訴訟 | Posted on 17-06-2013

今回は、二段併記商標の不使用取消リスクを考えさせられる判例をご紹介します。

【事件の概要】
本件商標「ももいちご/百壱五」(指定商品・役務:第31類「いちご」)が、不使用取消審判で取消されたので、当該審決の取消しが求められた事案です。

【判決の要旨】
「ももいちご」と「百壱五」の両方の文言が、文字の変更や欠落などなく、共に用いられており、字体や字の大きさに違いがあるとしても、本件商標を表す登録番号,出願日が表示されていることも併せ考慮すると、社会通念上、本件商標と同一の商標が使用されていると解すべきと判断されました。

争点は、1.本件登録商標と使用商標との類否とにありました。

商標法 第50条(商標登録の取消しの審判)には、
① 継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者または通常使用権者のいずれもが各指定商品または指定役務についての登録商標(書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標、平仮名、片仮名及びローマ字の文字の表示を相互に変更するものであって同一の称呼及び観念を生ずる商標、外観において同視される図形からなる商標その他の当該登録商標と社会通念上同一と認められる商標を含む。以下この条において同じ。)の使用をしていないときは、何人も、その指定商品または指定役務に係る商標登録を取り消すことについて審判を請求することができる。
とあります。

1.本件登録商標と使用商標との類否
字体や字の大きさに違いがあるが、「ももいちご」と「百壱五」の両方の文言が、文字の変更や欠落などなく、共に用いられている点から商標法50条1項でいう社会通念上同一であると認定されました。

【私見】
商標権は、商標を使用することを前提に権利が与えられるものであり、3年以上不使用の状態が続くと権利が取り消される場合があります。この不使用商標を取り消すための手続きが不使用取消審判です(商標法第50条)。この不使用取消審判が請求された場合、登録商標と同一の商標を使用していること(社会通念上の同一でもよい。)を証明できなければ、商標登録が取り消されることになります。

本件のように、上段(又は下段)に漢字又はアルファベットを記載し、下段(又は上段)にその読み方を平仮名又は片仮名で表した二段併記の態様で出願することは多くあります。2つの商標を1つの商標として、1件分の費用で出願することができますし、先願商標との類似性を低くすることが可能な場合もあります。

しかし、二段併記の登録商標のうち、一方しか使用しなくなってしまった場合には、登録商標の使用とは認められず、取り消されてしまうかもしれません。二段併記の場合には、この不使用取消リスクがあることを頭に入れておく必要があります。

本件は、「百壱五」が、小さくても、「ももいちご」と共に用いられていた点、及び、登録番号や出願日が表示されていたことも社会通念上同一という判断を後押ししたものと思われます。

あなたは、使用商標の「百壱五」の文字を見つけることができましたか?それにしても小さいですよね。

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アディダス3本線×4本線 から周知商標について学ぶ

Posted by ogasawara | Posted in 商標法, 訴訟 | Posted on 10-06-2013

今回は、商標法4条1項15号が争点となった判例をご紹介します。

【事件の概要】
本件登録商標「4本線の図形からなる商標(図を参照)」(指定商品・役務:第25類 履物,運動用特殊靴)に対して、アディダス社が同社の著名な「3本線の図形からなる商標(図を参照,複数有)」(指定商品・役務:第25類 履物,運動用特殊靴など)を引用して、出所混同のおそれがある(商標法4条1項15号)として無効審判を請求しましたが、これが不成立となったので、当該審決の取消しが求められた事案です。

商標法 第4条(商標登録を受けることができない商標)には、
① 次に掲げる商標については、前条の規定にかかわらず、商標登録を受けることができない。
15 他人の業務に係る商品または役務と混同を生ずるおそれがある商標(第10号から前号までに掲げるものを除く。)
とあります。

【判決の要旨】
4本のストライプの間に存在する空白部分が、色の塗り方などによっては3本のストライプに見え、アディダスの著名な商標を連想させて、出所混同のおそれがあるとして、審決を取消しました。

争点は、単なる類否判断ではなく、商標法4条1項15号の該当性にありました。

商標法4条1項15号の該当性について
「他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標」に該当するかどうかの判断は、
(1)その他人の標章の周知度(広告、宣伝等の程度又は普及度)
(2)取引の実情等個々の実態
を基準に判断されます。

本件においては、アディダス社の「3本線」の著名性を認め、また、本件商標が運動靴の側面に表示された場合、上部と下部の構成は見にくい場合があり、また4本の線ではなく、その間の空白部分が3本の線と認識される場合などがあるという実情が認められました。

【私見】
今回の判例では、単に類否判断をするものではなく、周知署名な商標との混同のおそれがあるかどうかが争点でした。この判決は、日本国内のみならず、海外メディアでも取り上げられていたようです。この点からも、アディダス社の「3本線」の著名性は文句なしです。ただ、商標の構成自体の4本線ではなく、商標の構成自体ではない空白部分に着目して3本線と混同するという発想にはやられました。

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ローリングストーンズ事件から周知商標について学ぶ

Posted by ogasawara | Posted in 商標法, 訴訟 | Posted on 05-06-2013

今回は、引き続き商標法4条1項15号が争点となった判例をご紹介します。前回の判例と違うのは、本件商標とローリングストーンズの「舌の図形商標(図を参照)」自体が非類似と認定された点と指定商品の嗜好性が考慮された点です。

【事件の概要】
本件商標「舌の図形商標(図を参照)」(指定商品・役務:第9類ほか)の設定登録による商標掲載公報の発行日から2月以内にされた第三者からの登録異議申立に基づく決定に対し、商標登録出願人(商標権者)が知財高裁に不服を訴えた事案です。

商標法 第4条(商標登録を受けることができない商標)には、
① 次に掲げる商標については、前条の規定にかかわらず、商標登録を受けることができない。
15 他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標(第10号から前号までに掲げるものを除く。)
とあります。

【判決の要旨】
両商標は、上部に2つの山にように盛り上がった赤色系の上唇、開放された口から張り出した舌、舌の上部に白色の上前歯、黒色の口内という共通性があるが、本件商標は正面から見た平面的な図形であるのに対して、引用商標は右斜めから見た立体的な図形であるので印象が異なる点(外観相違)、称呼,観念上の共通性がない点、引用商標が音楽関係者の間でローリングストーンズの商品・役務を表示するものとして著名であるので、嗜好性の高い音楽ファンや音楽関係者(需要者層)の間においては、本件商標がローリングストーンズと同じグループの業務にかかる商品・役務であると誤信するおそれがないので、登録を一部取り消した異議決定を取り消しました。

争点は、1.商標の類否判断と、2.商標法4条1項15号の該当性にありました。

1. 商標の類否判断
外観・・・相違
称呼・・・共通性なし
観念・・・共通性なし
※つまり、非類似である。

2.商標法4条1項15号の該当性について
引用商標の周知著名性は認定したものの、取引実情の点で、音楽という嗜好性の高い分野の需要者の商品に対する注意力が考慮され、混同は生じないとされました。

【私見】
今回の判例では、商標自体は非類似と認定されましたが、商標法4条1項15号の該当性について、具体的な需要者層を限定し、音楽ファン(需要者層)の注意力に言及し混同を生じないとした点が注目すべきではないでしょうか。

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名奉行金さん×遠山の金さん 商標類否事件から見る商標登録の重要性

Posted by ogasawara | Posted in 商標法, 訴訟 | Posted on 31-05-2013

【名奉行金さん×遠山の金さん 商標類否事件から見る商標登録の重要性】

今回は、商標登録の重要性を改めて認識する判例をご紹介します。

【事件の概要】
本件登録商標「名奉行金さん」(標準文字)(指定商品・役務:第28類 遊戯用器具)が引用登録商標「遠山の金さん」(標準文字)(指定商品・役務:第28類 遊戯用器具ほか)に無効審判により無効とされたので、当該審決の取消しが求められた事案です。

【判決の要旨】
商標の称呼及び外観は非類似とされましたが、歴史上の人物である「遠山金四郎」、時代劇等で演じられる「名奉行として知られている遠山金四郎」の観念において類似するので、商品の出所について混同を生じるおそれがあるとして、類似の商標であると判断されました。

争点は、1.商標の類否にありました。

1. 商標の類否について

称呼
本件登録商標・・・「メイブギョウキンサン」
引用登録商標・・・「トオヤマノキンサン」
両商標とも、一連に表記されているため上記となり、相違する。
外観
両商標とも、一連に表記されているため相違する。
観念
両商標とも、歴史上の人物である「遠山金四郎」、時代劇等で演じられる「名奉行として知られている遠山金四郎」の観念を生じさせるため、同一又は類似である。

※観念が、称呼・外観の相違を凌駕するものである。

【私見】
今回の判決は、観念の相違を重視したものとなります。また、本件被告(東映株式会社)は、映画・TVでおなじみの「遠山の金さん」シリーズの著作権者であり、本件原告が製造しているパチンコ機が著作権を侵害しているとして、仮処分の申立てもしていました。

商品やサービスの識別標識としての商標が著作権で保護されるか、というと保護されません。今回、東映株式会社さんが商標登録をしておいたのは賢明でしたね。著作権に加えて商標権により商標を強力に保護することができますからね。

昨今のゆるキャラブームで、数々のキャラクターが誕生していますが、関係者の方はきちんと保護していますか?
こちらのサイトはご参考まで。

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海葉×海陽 商標類否事件から見る商標の類否判断について

Posted by ogasawara | Posted in 商標法, 訴訟 | Posted on 28-05-2013

今回も、商標の称呼が争点となった判例をご紹介します。前回ご紹介した「PAG」とは異なり、称呼が完全に一致しているのに非類似と判断されました。

【事件の概要】
本願商標「海葉」(標準文字)(指定商品・役務:第29類 かまぼこ,加工水産物ほか)が、引用商標「海陽」(指定商品・役務:第29類 かまぼこほか)と「カイヨウ」の称呼において類似するとしてなされた拒絶審決に対して、当該審決の取消しが求められた事案です。

【判決の要旨】
商標の称呼は類似するとされましたが、本願商標「海葉」から生ずる「海草の葉っぱ」との観念、引用商標「海陽」から生ずる「海に昇る太陽」との観念の差、「海」ともう1文字の漢字を組み合わせた単語は非常に多く存在し,「海」と組み合わされる漢字の外観上の相違を軽視することはできないという外観の差から、非類似の商標であると判断されました。

争点は、1.商標の類否にありました。

1. 商標の類否について
称呼
本願商標・・・「カイヨウ」
引用商標・・・「カイヨウ」
つまり、基本的に同一であると認定
観念
本願商標・・・「海草の葉っぱ」,「海に浮いた葉っぱ」
引用商標・・・「海に昇る太陽」,「海に沈む太陽」,「海の日の当たる場所」
つまり、相違する。
外観
「海」の部分は同一だが、二文字目「葉」と「陽」との間に旁(つくり)や偏(へん)の共通性はなく,その相違は大きい。

※外観・観念の相違が、称呼の共通を凌駕するものである。

【私見】
商標の類否の判断基準は、称呼・外観・観念の三方向からの対比観察を基本とします。特に、日本では称呼が最重要視される傾向にありますが、今回の判決は、称呼の同一性よりも外観・観念の相違が重視される結果となりました。

特許庁の商標課が確立している商標の類否判断法を熟知している人ほど、本願商標「海葉」と引用商標「海陽」とは類似すると判断するのではないでしょうか。実務家の立場からしますと、このような知財高裁による商標の類否判断法は、裁判例を引用した意見書を提出する際に大いに活用できそうです。

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PAG商標類否事件から見る称呼と取引実情について

Posted by ogasawara | Posted in 商標法, 訴訟 | Posted on 24-05-2013

今回は、商標の称呼が争点となった判例をご紹介します。

【事件の概要】
本願商標「§PAG!\Point AD Game」(指定商品・役務:第9類 携帯電話用ゲームソフトウ

エアほか)が、引用商標「PAG」に類似するとしてなされた拒絶審決に対して、当該審決の取消しが求められた事案です。

【判決の要旨】
本願商標は、「PAG!」の英文字をデザイン化した部分と、その下に英文字「Point AD Game」の英文字を配置して成るところ、これより「ピーエージー,ポイントエーデーゲーム」、「パグ ポイントアドゲーム」、「ピーエージー」、「パグ」などさまざまな称呼が生じる余地があり、一方、引用商標からは「ピーエージー」、「パグ」などの称呼を生ずるが、確定的な称呼が生じるとはいいがたく、いずれもどのような称呼で取引されているか判らないから非類似であるとしました。

また、取引の実情として、①本願商標が「広告とポイントバックとを連動させたポイントアドゲーム」に使用されていること、②引用商標の商標権者であるキャタピラー社がブルドーザーや油圧ショベルなどの建設機械を製造・販売する会社であること、③引用商標「PAG」が昭和57年頃、生産分析サービスに使用されていたこと、そして、④引用商標に対する不使用取消審判の結果から、引用商標が過去3年間使用されていなかったことなどを認定し、両者間に誤認混同を生じさせるような事情は認められないと判断しました。

争点は、1.商標の称呼にありました。

1. 商標の称呼について
本願商標・・・「ピーエージー,ポイントエーデーゲーム」、「パグ ポイントアドゲー
ム」、「ピーエージー」、「パグ」など
引用商標・・・「ピーエージー」、「パグ」など

【私見】
今回の判決において、さまざまな称呼が生じる余地があることをもって称呼の類似性を否定したことは、一般的な類否判断の手法とは大きく異なるように思われます。

今回の判決に与えた一番の根拠が、引用商標が不使用であって、称呼を特定できなかったことにあるようですので、どのような称呼で取引されているか判らないことを何らかの形で裏付けることによって、非類似に持ち込むこともできそうですね。不使用取消審判を請求することも有用だと思われます。

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炭都饅頭 × TANTO 商標類否事件から見る商標の全体観察と要部観察について

Posted by ogasawara | Posted in 商標法, 訴訟 | Posted on 23-05-2013

今回も、商標の要部が争点となった判例をご紹介します。

【事件の概要】
本願商標「炭都饅頭」(指定商品・役務:第30類 饅頭)が引用商標「TANTO/タント

」(指定商品・役務:第30類 茶、菓子及びパン、……、肉まんじゅう等)により拒絶されたので、当該審決の取消しが求められた事案です。

【判決の要旨】
本願商標が「江戸文字」と呼ばれる特徴のある文字書体で、縦1行にまとまりよく記され、「炭都」の部分が特に強調された外観ではないので、「タントマンジュウ」の称呼のみが生ずる(あるいは、称呼が共通する場合があるとしても、本願商標における4文字を一連にして成る江戸文字書体の強い外観が、称呼の共通を大きく凌駕する。)として、本願商標と引用商標とは非類似であるとしました。

争点は、1.商標の要部にありました。

1.商標の要部について
本願商標・・・「タントマンジュウ」
引用商標・・・「タント」
※「本願商標における4文字を一連にして成る江戸文字書体の強い外観が、称呼の共通を大きく凌駕するとされました。

【私見】
前回の「CitiGold Loan」の事件では、要部を認定する際の判決理由の一つに「LOAN」の部分は、指定商品の「貸し付け」を意味し、自他商品の識別力がないので、要部は「CitiGold」であるという判断がされました。一方、今回の事件では、縦一行にまとまった江戸文字書体4文字を一連に称呼するとして、「饅頭」の部分が要部であるとは認定されませんでした。

前回の「CitiGold Loan」との違いは、商標の類否判断において、要部観察ではなく、全体観察を重要視した点です。もっとも、要部観察は全体観察の補助手段として位置づけられていますから、全体観察により類否を判断した今回の判決は基本に忠実に従ったと言えますね。

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