商標「日南市」市章類似事件で学ぶ商標法第4条1項6号の該当性及び商標の類似性について

Posted by ogasawara | Posted in 商標法, 訴訟 | Posted on 15-05-2013

今回は、商標の不登録事由の一つである4条1項6号の該当性と商標の類似性についての判例をご紹介します。

【事件の概要】
本願商標が著名な宮崎県日南市の市章と類似し、商標法4条1項6号に該当すると判断した審決の取消訴訟です。

商標法 第4条(商標登録を受けることができない商標)には、
① 次に揚げる商標については、前条の規定にかかわらず、商標登録を受けることができない。
6 国若しくは地方公共団体若しくはこれらの機関、公益に関する団体であって営利を目的としないものまたは公益に関する事業であって営利を目的としないものを表示する標章であって著名なものと同一又は類似の商標
とあります。

【判決の要旨】
日南市章は本願商標の指定商品・役務(第6類「建築用又は構築用の金属製専用材料,金属製建具,金属製建造物組立てセット」,第19類「セメント及びその製品,木材,石材,建築用ガラス」及び第21類「清掃用具及び洗濯用具」)に係る一商圏以上の範囲の取引者、需要者に広く認識されているとは言えず、また、本願商標は日南市章と類似もしないとして、本願商標の4条1項6号の該当性を否定しました。

争点は、1.日南市章の著名性、及び、2.本願商標と日南市章との類否にありました。

1.日南市章の著名性について
審決では、市章が「告示」されたこと、「告示」の目的が広く一般に知らしめることであることから、日南市の市章を著名なものとして扱うべきであるとされましたが、実際に著名であるかどうかについては認定しませんでした。判決では、このような審決の判断手法は是認することができないと最初に指摘し、次に法4条1項6号の「著名」の意味について、≪指定商品・役務に係る一商圏以上の範囲の取引者、需要者に広く認識されていることを要する≫とし、日南市市章が公共施設やホームページ等で表示されたからといって、本願の指定商品の取引者や需要者が一般に目にするとは認められないとして、著名性を否定しました。
2.本願商標と日南市章との類否について
本願商標と日南市章を全体として対比すると、外観において本願商標の図形部分と日南市章は類似するものの、本願商標が「ダイワ」の称呼を生じ、「ダイワ」ないし「大和」の企業名としての観念を生じるのに対し、日南市章は、特定の称呼、観念を生じるものとは認められないから、全体として類似するとはいえないとして、否定しました。

【私見】
図の標章を見て、日南市だ!と分かった人は何人いるでしょうか?名前は知られている地方都市でも、その市章まで著名かと言われると、そうではないということなんでしょうね。この点で、4条1項6号の該当性が否定されたことに対しては、納得できます。

しかし、類似性の否定については少々の疑問が残ります。論理的には、判決が示す通りになるのでしょうが、本件商標と日南市市章とを比較したとき、これらを「類似」と考えるのが一般的な感覚なのではないでしょうか。

商標登録ステーションはこちら

商標登録にはいくらかかるの?

商標登録までの流れは?

| HOME | 取扱い業務 | 料金について | 弁理士紹介 | よくある質問 | 事務所概要 | 書類ダウンロード | リンク集 | プライバシーポリシー | サイトポリシー | サイトマップ | お問い合わせ |



資料請求・お問い合わせ

小笠原国際特許事務所 ☎0896-72-6100 

〒799-0403愛媛県四国中央市三島朝日3-1-48
Copyright Ogasawara international patent office All Rights Reserved.