匂い、音に続き、今回は動的(動きの)商標についてです。
動的商標といってもイマイチぴんと来ない方も多いと思います。
動的商標とは、MGM映画のライオンが吼えるオープニング動画など視認される態様が自ら変化していく商標です。
実際に登録に至っている例を挙げると、アメリカの映画会社である「20世紀フォックス社」の映画の本編が始まる前にサーチライトがぐるりと動いて、「20th CENTURY FOX」の文字や夜空を照らすあの一連の動きです(米国登録第1928423号)。
もう一つ例を挙げると、大手電気通信機器メーカーで、携帯電話で有名な「ノキアコーポレーション」の携帯電話起動時に音楽と共に表示される「握手」の動きです(欧州共同体商標登録第3429909号)。日本ではノキアの携帯は余り普及していない様なので、知らない方も多いかもしれません。
上記2社の登録例にある通り、実際に出願する際には、米国では、動く商標を最大5図までの図面によって,表現することができます。要するに、ぱらぱら漫画のような表現方法がとられています。
ん~、なるほど・・・・?という感じでしょうか。日本で思いつくものといえば・・、これも映画関連ですが、東映株式会社のオープニングとか・・。3つの岩に荒波が打ち寄せる風景をバックに、東映のロゴがゆっくりアップになる、これは登録できるんじゃないでしょうか?3つの岩は、東映の前身である東京映画配給、太泉映画、東横映画の3社の統合と結束をイメージしており、社内での正式な呼び名は「荒磯に波」だそうです(ちなみに、撮影は千葉県だそう。)。
日本での文字やロゴでの商標登録は済ませてあるようですが、今後日本でも動的商標が導入された際には、ぜひ出願されることをお勧めしたいです。どうでしょうか、東映さん・・!?