■「面白い恋人」事件

Posted by ogasawara | Posted in 商標法, 訴訟 | Posted on 04-12-2011

「坊主が走る」師走(昔は正月も盆と同じように祖先の霊を弔う月でした。)。例に漏れることなく私もバタバタと忙しいです。特許明細書を書ける人材が欲しい~。

お酒を飲む機会の多い時期でもあります。私は酒癖が悪いらしいので飲み過ぎに気をつけます(^_^;)

あと、今年は大震災がありました(年末に報道される今年の漢字は多分「震」か「災」かな?)。何事も心の在り方だそうです。「災い転じて福となる」ように来年もみんな団結して日本を元気にしよう!って誰目線やねんと突っ込まれそうですが(^_^;)

個人的には、仕事も私事も今年はしゃがんで反動を付けた年。来年は絶対大きくジャンプするぞ~!!っと。

前置きはそれぐらいにして、今日は、11月28日に、石屋製菓が、主力商品「白い恋人」の商標権を侵害したなどとして、土産菓子「面白い恋人」を企画・販売する吉本興業など3社を札幌地裁に提訴した事件についてです。

代理人の立場で見ますと、いくつか争点が思い浮かびます。かなり「面白い」事件です。

商標の類似とは、「同一又は類似する商品,役務に使用すると需要者が出所の混同をするほど商標が似ていること」を言います。商標が類似しているかどうかは外観、称呼、観念の三つの要素を総合的に勘案して判断されます。

「白い恋人」と「面白い恋人」とは誰がみても類似するように思えます。実際、吉本は、「面白い恋人」について商標登録出願をして拒絶査定が確定しています。しかし、果たして需要者が出所を混同して「面白い恋人」が付された商品を購入するでしょうか?むしろ、「白い恋人」のパロディとして吉本の商品と分かった上で購入していると思われます。「小僧」と「小僧寿司」は非類似とされた判例もありますし、出所の混同は生じないとして「白い恋人」と「面白い恋人」は非類似と判断される可能性もあると思います。ここは代理人の腕の見せ所でしょう。

もう一点。仮に、類似とされて商標権侵害となった場合の損害額の算定についてです。この場合、少なくとも商標権の使用料(ロイヤリティ)の損害は発生していると思われます。ただ、石屋製菓は、吉本が商品を販売して得た利益額を損害額と算定するのは難しいかも知れません。吉本と分かった上での「面白い恋人」自体に顧客吸引力が備わっていて、需要者が「面白い恋人」が付された商品を購入する際に、「白い恋人」の顧客吸引力がすべて寄与しているとは思えないからです。ここも代理人の腕の見せ所だと思います。

とはいえ、吉本興業は、大阪的な軽いノリでやってみたということでしょうが、「白い恋人」側がどう思うかという発想がなかったのがまずかったですね。商標権侵害の可能性あり、ということに気付かなかった、あるいは無視していた吉本興業を、コンプライアンスの観点でやはり問題があったと思います。パロディをするにしても、少なくとも使用料は払っておくべきだったと思います。社会の様々な人たちの視点から見て、自社のやっていることが適切か、受け入れられるかどうかを考えることこそ、コンプライアンスだと思います。

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