「プロイノベーション」とは、イノベーションを重要視した政府や企業における産業育成のための取り組みや概念、製品のこと。「プロイノベーション」の言葉自体は、イノベーション(innovation)に「~寄りの」「~に賛成の」を意味する接頭語(pro)が付いた造語で、プロダクト・イノベーション(製品の革新)、プロセス・イノベーション(経営基盤の強化)、プロフェッショナル・イノベーション(技術の向上)、プロフィット・イノベーション(事業分野の拡大)など、さまざまなイノベーション(技術革新、経営革新)のニュアンスを含んだ幅広い意味合いを持った言葉として使用されています。
近年は、単に、特許権等の知的財産権の保護強化を目的とする「プロパテント」(特許重視)の時代から「プロイノベーション」に時代に変わっていくべきであると主張されている方もいらっしゃいます。『イノベーション促進のカギは「自由」であるところ、知的財産制度は「情報の独占」を認める制度なので、一定の弊害(「独占による弊害」)があることも重要です。もとより、このことは、知的財産制度の必要性を否定するものではありません。単純に知的財産を強化すれば足りるのではなく、きめ細かく柔軟な制度設計が必要ということです。プロパテントのみを考えれよい幸福な時代は終わりました。』(中山信弘「知的財産立国のさらなる発展を目指して」ジュリ1405.6)。
この論文で主張されているように、「プロパテントからプロイノベーション」への切り替え、我が国がこれから急いで取り組むべき課題でしょうね。